“変化できないマネージャー”が組織の成長を止める。管理職育成の再設計ポイント
知識や方法が不足しているときは具体的に伝え、本人の判断を深めたいときは問いを使います。課題と経験に応じて、助言・共同実行・コーチングを使い分けます。
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管理職の仕事を、三つに分ける
自分で成果を出す仕事、チームの判断を支える仕事、継続して成果を出せる環境を整える仕事を分けます。現場で手を動かす必要がある場面もあります。問題は、管理職が実務を担うこと自体ではなく、期待する役割と使える時間・権限が一致していないことです。
何が必要かで、関わり方を選ぶ。
- 判断する材料が足りない
- 知識や経験を、具体的に伝える。
- 進め方を組み立てる必要がある
- 役割や制約を、一緒に整理する。
- 本人が考え、選べる状況にある
- 問いかけを通じて、判断を支える。
本文の考え方を整理した説明図です。詳しい条件と具体例は、各節をご確認ください。
まず、成果が止まる場面を確かめる
たとえば、部下の提案が毎回差し戻される場面を考えます。目的や品質基準を知らないのか、判断に必要な情報がないのか、本人には決裁権がないのか。誰の能力の問題かを決める前に、仕事の進め方と判断の条件を確認します。これは支援方法を考えるための説明例です。
伝える・一緒に進める・問いかける
判断基準や方法を知らない人には、具体例と理由を伝えます。初めての仕事では、管理職も一緒に進め、途中で判断の観点を共有します。本人が経験と判断材料を持つ場合は、「何を優先するか」「他の選択肢はあるか」と問い、検討を深めます。方法を一つに固定せず、課題と経験に合わせます。
実務で試す機会と、振り返りを設計する
研修の受講だけを育成の完了にしません。次の会議や提案で何を試すか、誰が何を観察するか、いつ振り返るかを決めます。結果が想定と違った場合は、本人の行動と、情報・権限・業務量などの条件を分けて確かめます。
評価と、支援の選び方を揃える
チームの成果だけでなく、役割の明確化、判断待ちの解消、部下が自分で進められる範囲も確認します。短い振り返りで、使った支援、相手の反応、次に変えることを記録します。管理職育成は、コーチングへの一律転換ではなく、仕事に必要な関わり方を選べる状態を目指します。
執筆者
株式会社Global Career Incubator 代表取締役CEO 井川真一
東京大学法学部卒業後、防衛省・オーストラリア国防省での勤務、事業会社での事業開発・組織運営等を経て、2023年にGCIを創業。経営・事業戦略と、役割・人材・業務の実装をつなぐ支援に取り組んでいます。
GCIは、日本と世界の接点で、企業の成長と個人のキャリア・能力発揮を支援しています。
井川真一のプロフィール